背の高い妹

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※コロナウィルスが流行する前の話です。

二人の身長

 私の身長は173センチ程である。それに対して妹の身体も173センチと同じぐらいだ。しかし、身体の線の細さによって、パッとみた感じ妹の方が背が高いように見える。僕の身体は肩幅が45センチあるので、スラッとした感じではない。むしろ、がたいが良いの代表格である。それに対して、妹はモデルみたいに身体がスラッとしている。もしかすると、その日の体調によっては本当に妹の方が背が高い可能性もある。悲しいかな、兄としての威厳が全く持ってない。

 

ヒールを履かれたら

 ある月のいっぴに丸亀製麺にいった。丸亀製麺は月の1日にうどんが安くなるのだ。その日、母と妹は外出しており、僕は家でだらだらしていた。すると、僕のスマホに「丸亀製麺行かない?」と母から通知が来ており、丸亀製麺で落ち合うことになった。そして、僕は車を丸亀製麺に向けて走らせた。お店に到着すると、既に母と妹は丸亀製麺についていたので、二人が乗ってきた車の横に駐車した。お店に入ると、すごい行列が出来ていたので仕方なく列に並んだ。そしたら、既に席に着いてうどんを食べていた妹が僕の存在に気付き、こっちに向かって歩いてきた。何をしに来るのかと思っていると、わざわざ僕に安くなるチケットを渡しに来たのだ。「これを渡せばうどんが安くなるよ」と言い、おもむろにチケットを渡してくれた。何と優しい妹だろうかと思った次の瞬間、「お兄ちゃん、背ちっちゃいなーww」僕以外の男性がみるとキュンとしてしまうぐらいの満面の笑顔と誇らしげな顔で強烈な言葉を言い放ったのだ。それにより、私の何かが崩れる音が聞こえてきた。列に並んでいる人を見渡しても、僕より背の高い人なんていないのにだ・・・。そう、妹は就活の帰りで、ヒールを履いてきていたのだ。ヒールを履いていなくても、身長は良いとこ勝負なのだから、勝ち目などないのである。決め台詞を言い終わると、妹は自分の席についてうどんを食べ始めた。あまりのショックからか、好奇心なのかは分からないが、チャンポン麺を注文して美味しくいただきました。もちろん、釜揚げうどんではないので、定価でいただきました。ちゃんちゃん。