親子揃って同じコップを割る

わたしコップを割る

 ある日、コップを割ってしまった。ダイニングテーブルの近くで、手の力が抜けてコップを落としてしまった。そして、落ちたコップは粉々に砕け散った。そのため、小さな破片が床に散らばり、フローリングがキラキラと輝いていた。現場に母が居合わせており、コップが割れた際の対処法をレクチャーされながら、床に掃除機を当てていった。

 

「なんしょーん」

 

「コラコラコラ、その辺はガラスが飛び散っているから、裸足であるくな!スリッパを履け、スリッパを!」

 

わたし

「ハイハイ」

 

「いい?、ガラスが割れると小さな破片がそこらじゅうに飛び散るから、掃除機を使って隅々まで綺麗にして。」

 

わたし

「あいあい」

 

私は、掃除機を取り出して、コンセントを差し、電源をいれて適当に掃除を始めた。

 

「ちがうちがう、そうじゃない。掃除機を当ててない床の面がないように、きっちりかけて!」

 

母の指導のもと、黙々と掃除機を掛けるのであった。

 

父もコップを割った

 わたしがコップを割った騒動から2週間後、父も酔っ払ってか分からないが、椅子の背もたれに手をぶつけて、コップを落として割った。しかも、全く同じコップで、全く同じ場所でコップを割ったのだ。尚且つ、母も同じように居合わせた。母は同じ光景を目の当たりにして、目を疑ったことだろう。きっと目をゴシゴシと擦ったはずだ。

 

「親子揃ってなんしょーん (´Д`) 」

 

「わりぃわりぃ(^_^;) 」

 

「お兄ちゃん、お父さんも同じところで同じコップを割りおったでー (ーдー) 」

 

わたし

「どれどれ? ほんまや( ゚∀゚) 同じところで同じコップを割ってるし(^_^;) 」

 

経験者である、わたしが率先してコップを片付けた。

 

わたし

「ガラスの破片がそこらじゅうに飛び散ってるから、ちゃんと掃除機かけないとアカンで」

 

「お前は優しいのうー(。-∀-) 」

 

もう、酔っ払っていてご機嫌の父だった。

 

同じところで同じコップを割るという、

行動までも似なくてもいいのに・・・。